ロシア連邦政府はなぜ総辞職したのか
ロシア連邦政府のメドベージェフ首相は15日、プーチン大統領に内閣総辞職の意向を示したことを明らかにした。ロシア専門家は、「ロシア政府の内閣総辞職は、より多くの経済通の人材を入閣させるためであるとともに、プーチン大統領が打ち出した改憲提案と足並みをそろえるためでもある」との見方を示している。新華社が伝えた。
なぜ内閣総辞職したのか?
メドベージェフ首相は同日、プーチン大統領と会談した際に内閣総辞職の意向を伝え、その場にはロシア連邦政府の全閣僚も同席していた。メドベージェフ首相は2012年5月の就任以来、首相の職をこれまで8年近く務めてきた。
ロシアメディアの報道によると、メドベージェフ首相は同日、プーチン大統領に業務報告をした際、ロシア連邦政府が大統領が改憲を提案したことを受けて辞職するのは正しい行動だとの考えを示し、「ロシア連邦政府は、大統領が一切の必要な決定を下すために可能性を提供するべきだ」と述べたという。
ロシア非国家安全分野協調委員会主席団メンバーのあるロシア政治問題専門家は、「メドベージェフ首相の辞職にはさらに深遠な影響がある。メドベージェフ内閣の総辞職後、多くの新人閣僚が内閣入りすることになるが、これはプーチン大統領が次期議会と大統領選挙に向けて打った事実上の布石だ」と指摘する。
西側が対ロシア制裁を行っている中で、ロシア経済は近年困難に直面している。これより前、ロシア世論は「経済に明るい人材をもっと登用するため、メドベージェフ内閣は総辞職する可能性が高い」と推測していた。ロシア国際関係学院のある専門家は、「メドベージェフ内閣の総辞職とその後の組閣は、国民が政府に民生改善を要求したことへの反応だ。新政府はより効率よく各国家発展計画の実行を推し進め、より職責を果たせる形で大統領が15日に行った年次教書演説で提起した任務を遂行できるようになるだろう」と指摘している。
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辞職後のメドベージェフ氏の動向は?
プーチン大統領は14日、「近いうちに連邦安全保障会議副議長のポストを増設し、メドベージェフ氏を任命するつもりだ。メドベージェフ氏は長期にわたって国防・安全保障の増強に尽力してきた。メドベージェフ氏には、辞職後も引き続き国防・安全保障面の業務に従事するよう要請した」と述べた。プーチン大統領はさらに、「連邦安全保障会議副議長のポストを増設するには、関連の法律法規を改正する必要があるが、その作業は近いうちに完了する予定だ」とし、総辞職の意向を示したメドベージェフ内閣に対し、新内閣が成立するまで十分にその義務を遂行するよう要請したという。
ロシア連邦安全保障会議は主に国家発展戦略の策定を担っており、国家計画と民生、国家安全保障と国防などにかかわる重大な問題についての施策決定を行う。現在、連邦安全保障会議の主席はプーチン大統領が務めている。
プーチン大統領は15日、ロシア連邦下院に対し、ロシア連邦税務庁のミハイル・ミシュスチン長官を新たな政府首相として指名した。ロシア人文政治研究院専門家のスラチノフ氏は、「ロシア政府閣僚は大幅に交代する。特に衛生や教育など社会問題と経済問題を担当する閣僚は交代することになる」と指摘している。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年1月16日