台湾TSMCに基金約190億円拠出し支援 政府
台湾TSMCのロゴ=1月19日、新竹市(ロイター)
経済産業省は31日、台湾半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日本国内で行う先端的な半導体の製造技術の研究開発を支援すると発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に設けた基金から、総事業費約370億円の半分に当たる約190億円を拠出する。日本の材料・製造装置メーカー20社超と研究機関などが参画し、先端半導体の製造技術の研究開発を共同で行う。
TSMCが、茨城県つくば市の産業技術総合研究所に検証ラインをつくって実施する。共同の研究開発には、材料メーカーでは旭化成やイビデン、信越化学工業など、製造装置メーカーでは芝浦メカトロニクスやディスコなどが参画する。
経産省は先端半導体の製造過程のうち、後工程に関する製造技術の開発を支援する。クラウドサービスや第5世代(5G)移動通信システムなどに必要とされる、高性能な3次元集積回路(IC)の製造技術や基盤技術の開発を目指す。
TSMCは「ファウンドリー」と呼ばれる半導体受託製造の世界大手。一方、日本は半導体の製造装置や材料に強みがある。
凋落(ちょうらく)が指摘されている日本の半導体産業にとって、最先端の製造技術を持つTSMCと連携する意義は大きい。経産省はNEDOに設けた総額2千億円の基金からの拠出で支援し、日本企業の競争力を強化する。
経産省は研究開発拠点をベースに、将来の本格的な先端半導体の量産工場の誘致につなげたい考えだ。
Click to rate this post!
[Total: 0 Average: 0]