中国初の携帯電話による地震観測早期警戒網がリリースへ
中国地震局地震早期警戒技術研究成都センター長、地震早期警戒四川省重点実験室室長、高新減災研究所所長の王暾氏は3日、「この網は1千万台、さらには1億台に上る携帯電話との接続により、携帯電話があれば地震早期警戒能力が備わるようになる。小米(シャオミ)と提携し、中国初の携帯電話地震観測早期警戒網を始動させる」と述べた。科技日報が伝えた。
成都高新減災研究所とシャオミが共同で開いた新成果発表会の席上、王氏は「従来の地震早期警戒網は地震エリアに地震観測装置を集中的に設置し、地震波よりも電波の方が速いという原理を利用し、地震発生後に大地震が到達する前に人々に数秒から数十秒の警戒時間を与えていた。それに対し、今回始動した携帯電話地震観測早期警戒網の原理はこれと類似しており、携帯電話に内蔵したセンサーが従来の観測装置に取って代わっただけだ」と述べた。
携帯電話地震観測早期警戒網の動作原理 画像は取材対象者が提供
王氏は「スマートフォンに加速度センサーを内蔵することで、振動を感知できる。携帯電話が地震と思わしき情報を検出した場合、早期警戒センターのサーバーに情報を送信する。センターのサーバーは複数の携帯電話からの情報を結びつけ、地震が発生するかを判断する。地震と判断した場合、1秒クラスの速度で関連情報を計算し、震源地周辺の影響を受ける人々に向け早期警戒情報を送信する。携帯電話による地震の早期警戒・観測を実現した後、センサーの数が大幅に増加する。早期警戒網のカバー範囲を拡大し精度を高めるだけでなく、さらには高密度の携帯電話センサーにより従来の地震早期警戒網の死角を解消する」と説明した。
携帯電話をどのようにして「移動する地震観測ステーション」にするのだろうか。シャオミ集団技術委員会の李偉星副会長は「同技術はエッジコンピューティングの手段により、携帯電話が震動のシグナルを検出した際に、これが地震波かどうかを判定できる。その後、差分プライバシーの暗号処理手段を利用し、ユーザーの情報を匿名化した上に報告する。最後に、減災研究所の地震データAI(人工知能)計算能力と結びつけ、地震観測早期警戒網の枠組みを実現する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月4日