半導体産業、国がてこ入れ 「兆円規模」の支援できるか

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新宅あゆみ、内山修2021年6月4日 16時30分

台湾の半導体メーカー「TSMC」の工場=2020年11月、台南、石田耕一郎撮影

 経済産業省は4日、半導体産業へのてこ入れを「国家事業」と位置づけ、供給網の強化を進める計画を打ち出した。米国と中国の技術覇権争いを背景に、政府・与党内では経済安保の観点から先端半導体の国産化や工場誘致を求める声が強まっているが、実現には課題が多い。過去の半導体政策には失敗も目立ち、今回も成果を出せるかは見通せない。

 経産省が4日に発表した「半導体・デジタル産業戦略」の最大の目標は、先端半導体を国内で調達できるようにすることだ。このため、まずは、日本に強みがある半導体の製造装置や関連素材の国内メーカーと海外の半導体製造大手との共同開発などを支援。これをてこに、将来は日本での合弁工場の建設につなげるというシナリオを描く。

 具体的には、半導体の受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が来年にも茨城県つくば市で国内企業と先端半導体の共同開発を始める予定で、この成果を将来の工場立地につなげたい考えだ。

「特例扱いの措置」が必要

 このほか、自動車や家電用と…

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