韓国、宇宙強国目指す…「2024年に独自技術固体エンジンの小型衛星打ち上げ」
国防科学研究所、固体燃料エンジンの燃焼実験に成功
軍事衛星増えれば、軍の情報・偵察・監視能力も向上
民間用の低軌道小型衛星の開発及び生産を活性化
韓国型ロケット(KSLV-2)「ヌリ号」のエンジン実験飛翔体が2018年11月28日午後、全羅南道高興の羅老宇宙センターから打ち上げられた=高興写真共同取材団//ハンギョレ新聞社
国防科学研究所(ADD)は16日、今年7月29日に国防科学研究所の総合実験場で、小型・超小型衛星打ち上げロケット用の固体燃料エンジンの燃焼実験に成功したと発表した。韓米ミサイル指針のため開発が制限されていた固体燃料ロケットに必要な核心技術を確保したのだ。韓国政府は2024年頃、羅老(ナロ)宇宙センターで韓国独自の技術に基づいた固体燃料ロケットを打ち上げる計画だ。
国防部関係者は同日、「今回実験を行った固体燃料エンジンは今後、小型衛星または多数の超小型衛星を地球低軌道に乗せることができる打ち上げロケットのエンジン」だとし、「液体燃料ロケットのヌリ号開発を通じて確保された技術とともに固体燃料ロケット技術を確保することで、宇宙強国にさらに一歩近づくことを期待する」と明らかにした。政府は今後、固体燃料ロケットの主要構成品を検証・統合し、2024年頃に羅老宇宙センターから韓国独自の技術に基づいた固体燃料ロケットを打ち上げる計画だ。
韓国はミサイル指針のため、昨年7月まではロケットに固体燃料を使用することができなかった。韓国が密かにミサイルを開発することを防ぐためだった。液体燃料は燃料の充電時間が長くかかり、ミサイル発射の兆候が事前に現れるが、固体燃料は燃料を充電する必要がなく、ミサイルの中に入れて発射することができる。有事の際、直ちに発射が必要な軍用ミサイルには固体燃料を使用することを考えると、米国がミサイル指針で韓国を統制してきたということだ。
昨年7月28日、ミサイル指針が改正され、韓国は既存の液体燃料だけでなく、固体燃料、液体燃料と固体燃料の特性を混ぜたハイブリッド型など、多様な形態のロケットを制限なく自由に研究・開発・生産・保有できるようになった。今回成功した燃焼実験は固体燃料ロケット開発の中間段階に当たる。
固体燃料は軍事分野や民間宇宙産業に大きな影響を及ぼす。韓国が固体燃料ロケットを活用した低軌道(500~2千キロメートル)軍事偵察衛星を必要なだけ多く打ち上げれば、韓国軍の弱点とされる情報・監視・偵察能力が大きく向上する。
今後、固体燃料を使った民間用ロケットの開発や生産が自由になる見通しだ。民間で低軌道小型衛星を打ち上げる際も、安価な固体燃料の方が経済的に有利だ。国防部は今後、民間企業主導で固体燃料ロケットの製作や衛星打ち上げサービスが行われるよう、技術支援を進める計画だ。
科学技術情報通信部は民間企業が開発している小型ロケットの打ち上げなどを支援するため、羅老宇宙センター内の新規打ち上げ場と関連インフラ(発射台、発射追跡システム)を構築する計画だ。羅老宇宙センターに作られる新規打ち上げ場や関連インフラは、民間企業各社の打ち上げを支援できるよう、1段階(固体)から2段階(液体を含む)へと事業を拡大する予定だ。
クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1012011.html韓国語原文入力:2021-09-16 14:48 訳H.J