米、露と首脳会談原則受け入れ 侵攻回避へ外交努力

(左から)バイデン米大統領、ロシアのプーチン大統領(いずれもゲッティ=共同)

米ホワイトハウスは20日、ウクライナ情勢をめぐり、バイデン大統領がロシアのプーチン大統領と会談することを原則的に受け入れたと発表した。ロシアがウクライナ侵攻に踏み切らないことを条件とした。米欧は侵攻への警戒をさらに高めており、緊張緩和を模索するぎりぎりの外交努力を続けている。

ホワイトハウスの声明によると、24日に欧州で予定される米露外相の会談後もウクライナ侵攻がなければ実施するとした。声明はロシアが近く「全面的な攻撃」を仕掛ける準備を進めていると警戒をあらわにする一方、「侵攻開始の瞬間まで外交(解決)を追求する」と強調した。米露の会談が実現すれば今月12日以来となる。

フランス大統領府も21日、バイデン氏とプーチン氏が米露首脳会談の開催に原則合意したと発表した。先立ちマクロン仏大統領が米露各首脳との電話会談で提案したとしている。発表によると、米露両首脳の会談に続き、欧州の安全保障をめぐって関係国が協議に加わる計画。24日の米露外相会談で準備の協議が行われるという。

一方、タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は21日、米露首脳会談について「現時点で具体的な計画はない」とし、「必要だと考えれば会談はいつでも設定されうる」と述べるにとどめた。

マクロン氏とプーチン氏はロシア、ウクライナ、欧州安全保障協力機構(OSCE)の3者会合の早期開催にも合意した。マクロン氏と会談したウクライナのゼレンスキー大統領も3者会合への支持を表明した。

3者会合にはウクライナ東部紛争をめぐる2015年の和平合意が定めたプロセスへの関与を確認する狙いがある。東部の一部を実効支配する親ロシア派は21日もウクライナ軍から砲撃があったと発表。ウクライナ側は否定した。(ワシントン 大内清、パリ 三井美奈、モスクワ 小野田雄一)

特集・連載:

ウクライナ危機

Click to rate this post!
[Total: 0 Average: 0]