スマート計算力がデジタル経済の新たなエンジンに
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中国の国家情報センターはこのほど浪潮信息と共同で「スマート計算力イノベーション発展のガイドライン」を発表した。それによると、全国では現在、30を超える都市でスマート計算センターが建設中か建設計画が打ち出されており、全体的な配置を見ると東部地域が中心で、中西部へと徐々に広がりを見せている。スマート計算センターのイノベーション発展は、人工知能(AI)及び関連産業の急速な発展を牽引する新たなエンジンになるものと期待される。
少し前、浙江省寧波市にある寧波ハイテク産業開発区の人工知能(AI)スーパー計算センター(第1期)プロジェクトが正式にリリースして運営をスタートし、100P(ペタフロップス<PFLOPS>、1PFLOPS=1秒間に1千兆回の浮動小数点演算の処理能力)の半精度のAI計算力を提供できるようになった。天津市では、スマート計算センタープロジェクト一期工事が昨年末に完成し、企業及び科学研究機関計850社・ヶ所余りをカバーし、計算力120Pの意向協力が締結された。昨年5月に正式にリリースした四川省成都市の成都スマート計算センターでは、最近になって複数のプロジェクトに集中的に調印され、スマート医療やスマートオフィスなどの使用シーンに焦点を当てている。
計算力資源はデジタル経済発展の重要なベースだ。デジタル経済の目覚ましい発展にともなって、デジタル化された新しい事物、新業態、新モデルが使用シーンの多様化発展を推進し、計算力の規模が拡大を続け、計算力に対するニーズも拡大を続けている。工業・情報化部(省)がこのほど発表したデータでは、2022年に中国全土の稼働中のデータセンターのラックの規模は全体で650万標準ラック(19インチラック)を超えた。過去5年間近くに、計算力の全体的規模の年平均成長率は25%を超えた。
インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が発表したデータでは、22年に中国のスマート計算力の規模は268EFLOPS(エクサフロップス、1秒間に100京回の浮動小数点演算の処理能力)に達して、汎用計算力の規模を超えた。今後5年間で、スマート計算力の規模の複合年間成長率は52.3%に達するとみられる。国家情報センター情報化・産業発展部の単志広部長は、「スマート計算力の規模が持続的に急速に拡大し、スマート計算センターは産業のニーズの変化に適応し、より優れたより新しい計算力供給モデルを提供するはずだ。今後、スマート計算センターはスマート時代の主要な計算力の生産センター及びサプライセンターになるだろう」との見方を示した。
スマート計算センターは新業態にも発展の土壌を提供している。たとえばスマートコネクテッドカー産業はスマート計算力に支えられて急成長の段階に入っている。今年1月には、毫末智行科技有限公司により1秒間の浮動小数点演算の処理能力が67PFLOPSに達するスマート計算センターが設立され、自動運転モデルのトレーニングコストが効果的に引き下げられたと同時に、計算の効率が大幅に引き上げられ、車両の感知フレームの高度化が実現した。同ガイドラインの試算では、第14次五カ年計画期間(2021-25年)に、スマート計算センターでは80%の応用水準が実現した状況の下で、スマート計算センターに対する都市の投資が、AIコア産業の成長を牽引して約3.9倍から4.4倍の伸びを実現させることが予想される。またスマート計算センターはAI及び関連産業の倍速での成長を牽引することが可能で、経済成長の新たな原動力となるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年2月6日