世界中の投資家を引き寄せ続ける2023年の中国

まもなく過ぎ去ろうとしている2022年に、中国の実行ベース外資利用額は前年比10%近く増加した。アナリストはこのほど、「一連の開放政策が加速的に実施されるのに伴い、来年も中国は引き続いて世界中の投資家を引き寄せることになるだろう」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。

公式データによると、今年1-11月には中国の実行ベース外資利用額が前年同期比9.9%増の1兆1560億9千万元(1元は約19.1円)になり、米ドル換算では同12.2%増の1780億8千万ドル(1ドルは約132.7円)だった。こうした数字から、22年の中国の実行ベース外資利用額が再び過去最高を更新するのは確実であり、グローバル経済の成長ペースが全体として鈍化する背景の中での記録更新は非常に貴重なものであることがわかる。

アナリストは取材に対して、「欧米などの先進国が産業チェーン・サプライチェーンの再構築を急ピッチで進めており、一部の多国籍企業は『中国+1』や『中国+N』などの投資戦略を実施し始め、世界の外資誘致競争がますます激しくなっているが、複数の『よいカード』を手の内に持つ中国は、来年には外資誘致状況が今年よりもさらによくなる見込みだ」との見方を示した。

1枚目の「よいカード」は、経済成長率の反転上昇が大きな確率で実現するとみられることが、中国が外資を引き寄せる魅力を持ち続けることの基礎であることだ。

最近、多くの機関が来年の中国経済は今年よりもよくなるとの予測を打ち出した。たとえばゴールドマン・サックスの中国人チーフエコノミストの閃輝氏は、「23年の株式市場の上昇、金利の緩やかな引き上げ、コモディティ、特にエネルギーのニーズの増加、人民元の対米ドルレートの上昇などへの期待に基づいて、中国経済は再び成長モデルを歩むようになるだろう」との見方を示した。また中国人民大学・中国マクロ経済フォーラム(CMF)の報告も、「製造業に内在する原動力が持続し、消費が回復するなどの好材料に牽引されて、来年の中国経済は緩やかな回復を実現するだろう」との予測を示した。

中国国際貿易促進委員会研究院の趙萍副院長は、「国際通貨基金(IMF)の予測では、来年の世界経済成長率は2.7%に鈍化し、欧米の経済成長率はさらに低迷するという。こうした状況の中、投資家は世界の中でよい投資の機会を探さなければならない。一方で、経済の持続的な回復に伴って、中国市場は世界の投資家により多くのよりよい投資機会をもたらすとみられ、外資が先を争って中国市場に流れ込むことが予想される」と述べた。

2枚目の「よいカード」は、ビジネス環境の改善と市場開放の拡大を狙った多くの政策措置が相次いで実施される見込みであることだ。

このほど開催された中央経済政策会議で明確になったように、来年はより力を入れて外資を誘致・利用しなければならず、市場参入の拡大と現代サービス業分野の開放レベルの引き上げが要求される。また外資系企業への内国民待遇を着実に実施し、外資系企業が法律に基づいて政府調達、入札、標準制定に平等に参加できるよう保障し、知的財産権と外資系企業の合法的権利の保護を強化しなければならないことも打ち出された。

商務部(省)の束珏婷報道官もこのほど、「タイミングを見て、中国にやって来た人材に対するサービス保障措置の最適化を適時推進し、海外のビジネスマンが中国で展開するビジネス商談活動により多くの便宜を提供する」との方針を明らかにした。

同部元副部長の魏建国氏は、「最近の政府の計画から見えてくるのは、これからの中国は制度面の開放を力強く推進し、各種所有制の企業に対する平等な待遇を着実に実施し、外資系企業への内国民待遇を十分に保障して、外資系企業が中国で機会の平等、権利の平等を真に享受できるようにするだろうということだ。これは外資を誘致する力を高める上で非常に重要なカギになる」と述べた。

また魏氏は、「現在、外資系企業が投資を決める上でより重視するのは投資先国のルール、規制、管理、基準などが企業の予測に合致しているか、企業のニーズに応えられるかという点だ。米国が経済貿易問題をたびたび政治問題化し、投資家の信頼感と期待に打撃を与える中、中国はハイレベルの対外開放を堅持し、市場参入のハードルを引き下げることにより、欧州の資本、人材、技術が中国に大量に流れ込むようになり、世界の激しい外資誘致競争の中で中国が主導的位置を占めるのを下支えすることにもなる」と述べた。

中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲研究員も、「来年、中国は現在の外資誘致の取り組みのさまざまな側面に対応した制度型の開放の枠組を作り上げ、開放のボーナスをより多く発掘することに力を入れるだろう。一連のプラス条件の下、2023年の中国の外資誘致規模は今年の予想を上回るものになると予想される」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年12月30日

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