日韓貿易摩擦が長期化の懸念
日本紙「産経新聞」の報道によると、韓国は日韓の元徴用工訴訟問題の解決を理由に、8月に行われた日韓外務省局長協議で日本に輸出管理優遇措置対象国の「ホワイトリスト」に韓国を復帰させるよう提案した。また日本に半導体材料3品目の厳格な輸出規制措置の解除も要請したが、日本側は承諾しなかったという。これは両国間に2019年以降、元徴用工問題をめぐって再び起きた貿易摩擦だ。
清華大学社会科学院国際関係学部の劉江永教授は、「日韓貿易摩擦の発生には、歴史における日本の元徴用工訴訟などによる直接的な影響もあり、また米日韓3ヶ国の関係といった要因による間接的な影響もある。今回の韓国の提案は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が政権に就いてから韓日関係を修復するために行ったもう一つの試みだ。日本はホワイトリストを『外交カード』とする姿勢を崩さず、引き続き韓国に一部の未解決の歴史問題について妥協と譲歩を迫っている」と述べた。
現在、日韓貿易摩擦は両国関係に緊張をもたらすだけでなく、両国の経済発展にもマイナスの影響を与えている。
劉氏は、「日韓貿易紛争を引き起こした貿易規制措置は市場法則に一致せず、結果として双方が損害を被った。日本は輸出規制を実施した後、関連する半導体材料の対韓輸出額が大幅に減少した。韓国は第三国に切り替えて貿易活動を行うか、商業運営を通じて日本から同材料を高値で購入するしかなかった。日本の対韓輸出規制は韓国国民の不満を爆発させ、日本製品ボイコットなどの活動が相次いだ。さらに目下の新型コロナウイルス感染症の影響も加わり、複数の要因が双方の経済貿易の正常な往来にマイナスとなって降りかかった」との見方を示した。
劉氏は、「日韓双方は産業チェーン、サプライチェーンなどの面で緊密に依存し合っている。今後も、双方の貿易活動は政治的要因の持続的な影響を受ける可能性がある。日韓双方は最近、対話の姿勢を示し始めたものの、双方の間に横たわる一部の根本的問題は長い時間を経過しており、短時間で解決することが難しい。歴史的問題と現実的問題から考えて、日本は譲歩することが難しく、韓国は経済発展と影響力の増大に伴って、同じように一方的に日本に対して妥協したり譲歩したりすることはできない。よって今後も両国間の問題は時に隠れたり時に顕在化したりするだろう」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月30日