日本の大学教授「サービス貿易が中国経済成長を牽引する新たな原動力に」

9月4日から9日までの6日間、北京で「2020年中国国際サービス貿易交易会」(以下、「交易会」)が開催された。今回は「グローバルサービス、相互利益の享受」がテーマで、これを機に、プラットホームや架け橋を構築し、各国の人々に、サービス貿易の分野の新たな発展、ブレイクスルーをPRし、人類社会の発展、進歩、新技術の成果を共に享受することが目的だ。人民網が伝えた。

日本駐在の人民網記者の取材に応えた拓殖大学政経学部の朱炎教授は、「世界において新型コロナウイルスがまだ収束に向かっていない中、中国が困難を克服して重大な国際経済貿易イベントを開催したことは称賛に値する。交易会という一歩踏み込んだ交流、協力を強化する場を通して、サービス貿易や投資協力に新たなチャンスがもたらされることを期待している」と語る。

サービス業が中国経済に顕著に寄与

朱教授は取材に対して、「2012年から開催されている交易会の成約の意向が示された金額は累計で5293億3000万ドル(1ドルは約106.2円)に達している。今年の交易会では、フォーチュン・グローバル500やグローバル企業、業界のリーディングカンパニー、イノベーション企業などが新技術、新サービスを発表した。サービス業の開放、連携が、発展を推進する重要な力となっていることを示している」との見方を示した。

そして、「サービス業は、中国経済において非常に重要な位置を占めている。中国は既にサービス経済時代に移行した。2019年、中国のサービス業の付加価値額が国内総生産(GDP)に占める割合は53%に達し、経済成長への寄与率も約60%に達した。このような発展の動向は非常に喜ばしい」とした。

オンラインとオフライン会議100回以上 中国のサービス貿易に対する影響拡大

世界的な感染拡大が発生して以降、中国が重大な国際経済貿易イベントを開催したことについて、朱教授は、「北京におけるこれほど大規模な国際的会議開催は、中国が新型コロナウイルスという問題を克服したことを示す重大な成果。展示会は、サービスの世界の観点から最大限展開され、オンライン・オフラインを同時に進行させる新たな形式が採用された。そのため、新型コロナウイルスの影響で、オフライン会場に足を運ぶことができない一部の国や地域もオンラインのスタイルを通して、中国と連携、交流を展開することができた。皆が手を携えて努力し、共に難題を克服し、共にグローバルサービス貿易の発展を促進している」と感慨深く語った。

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そして、「今年の交易会開催期間中、フォーラムや商談イベントがおよそ190回開催された。うち、オンライン会議が30回余りで、オンラインとオフラインを組み合わせた会議が70回余り、オンラインライブ配信イベントが100回近く。世界経済が依然として新型コロナウイルスの泥沼から抜け出せない状況下で、中国はオンラインとオフラインを組み合わせる形式を通して、新型コロナウイルスの影響で会場に足を運ぶことができないゲストが会議に参加できるようにした。これは、中国の世界に対する誠意だ」と、称賛の言葉を述べた。

サービス貿易が中国経済成長を牽引する新たな原動力へ

朱教授は、「中国は交易会を開催して、輸出を促進すると同時に、中国国内の経済成長も効果的に促進している。交易会を通して、全体的に見ると、中国のサービス貿易はよりバランスが良くなり、安定性が増した」と評価する。

また、中国のサービス貿易について、「これまで6回開催された交易会を見ると、規模がどんどん大きくなっており、貿易赤字が改善し続けている。以前、貿易黒字が大きかった中国の商品貿易と比べると、サービス貿易の発展は不十分だった。しかし、中国のサービス貿易が急速に発展するにつれて、商品貿易は貿易黒字で、サービス貿易は赤字という状況は自然と改善されている」と説明した。

中国の貿易構造において、物品貿易は黒字で、サービス貿易は赤字という問題をめぐり、朱教授は、「サービス貿易は、中国の対外貿易発展の新たなエンジンとなり、中国が貿易構造を最適化し、グローバルバリューチェーンに深く参加する重要なルートとなっている。中国がグローバルバリューチェーンに参加する重点は、加工の部分から、研究開発、設計など、高付加価値の部分に少しずつ移行するのにつれ、サービス貿易が貿易に占める割合も上昇し続けている」との見方を示す。

今年上半期、物品貿易の国際収支は1844億ドルの黒字だったのに対して、サービス貿易は765億ドルの赤字だった。朱教授はこれについて、「中国のサービス貿易の輸出入は全体的に見て、大きな赤字となっている。主に、観光、輸送、金融、知的財産権などの分野でそれが顕著だ。そのうちの観光業を見ると、海外旅行に出かける中国人旅行客が増えるにつれて、赤字幅が拡大している。しかし、それは、物品貿易の黒字のバランスを取る有効な手段でもある。輸送、金融、知的財産権などの分野が赤字となっていることは、関連の業界の世界における発展のスペースが依然として大きいということを示している。そのため、交易会を開催して関連の業界の大々的な発展を促進し、赤字を改善して、中国国内経済の発展のために新たな原動力が注ぎ込まれ続けている」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年9月10日

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