平壌共同宣言から2年 北は沈黙、文大統領は「時計がまた動くことを願う」

北朝鮮が6月に爆破した開城の南北共同連絡事務所(手前)。19日夕の時点で北朝鮮メディアは平壌共同宣言について言及していない(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=名村隆寛】2018年9月に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪朝し、金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長と署名した朝鮮半島の非核化や経済協力に関する「平壌共同宣言」から19日で2年を迎えた。文大統領は同日、自身のSNSに「南北の時計がまた動くことを願う」とのメッセージを掲載した。

 共同宣言で、北朝鮮は「米国の相応の措置」を条件に核施設廃棄などの措置をとる用意があると表明。南北経済協力事業の再開なども盛り込まれたが、実現していない。

 文氏はメッセージで「時間を戻してみよう」とし、2年間で「南北間の武力衝突は一度も発生していない」と成果を誇示。一方で合意内容が履行されていないのは「内外の制約を超えられないためだ」と釈明した。

 北朝鮮は6月に開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破するなど強硬姿勢を崩しておらず、19日夕の時点で北朝鮮メディアは平壌共同宣言について言及していない。

 こうした中、北朝鮮が平壌の金日成(キム・イルソン)広場で大規模な閲兵式を準備しているとみられる最近の衛星写真が、複数の欧米メディアで報じられ、韓国メディアは注目している。2015年の朝鮮労働党創建70周年の閲兵式と同水準と分析されており、10月10日に控える党創建75年の記念日に備えたものとみられている。

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