「米、最大限の孤立」 制裁復活、同調ゼロ テヘランの暮らし変わらず・イラン

9/21(月) 13:35配信

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テヘランで閣議に臨むイランのロウハニ大統領=大統領府が20日に提供(AFP時事)

 【テヘラン、モスクワ、ワシントンAFP時事】国連安保理のイラン制裁「復活」を米国が宣言したものの、同調する国が現れない。

 イランは20日、米国が「最大限の孤立」を味わっていると強調。舌戦は他国も加わって激化している。

 イランのロウハニ大統領は20日、テレビ中継された閣議で「米国はイランに『最大限の圧力』をかけると言いながら、政治的にも法的にも自分に跳ね返って『最大限の孤立』だ」と述べた。安保理各国に「米国の不法な要求と対決してくれた」と謝意を示した。

 イラン外務省のハティブザデ報道官も20日、テヘランで記者会見し「米国の見境のない行動に立ち向かい、声を一つにして反対することを期待したい」と世界に呼び掛けた。米国は独自の制裁に違反した国に「責任を負わせる」と警告した。報道官は「何も変わらないと全世界が言っている。(ポンペオ米国務長官の)夢物語だ」と反論した。

 ザリフ外相もツイッターに「制裁復活にノーと世界が言った」と書き込んだ。ポンペオ氏について「米国が望む別世界で暮らすのは嫌だと言った国々を罰すると脅している」と批判した。

 中ロ両国もイランに同調する。ロシア外務省は20日、声明を出し「世界は米国のおもちゃではない」と非難。今回の米国の動きを「法的にも手続き的にも無価値で無効」と判断した安保理の多数派の立場を「完全に支持する」と強調した。中国の国連代表団もツイッターで「米国の政治ドラマは終わる時間だ」と突き放した。

 これに対し、ポンペオ氏は20日、FOXニュースに出演し、米国の宣言に「法的効果なし」と断じた英独仏3カ国に怒りを爆発させた。「武器弾薬、戦車、防空システムは、2週間で(核合意の対イラン武器禁輸期限切れとなり)売れてしまうんだ。欧州は陰では武器を売るのは望まないと米国に言いながら何もしない」と非難。また「イランに売った武器は(レバノンイスラム教シーア派組織)ヒズボラのものになる」と訴えた。

 国家間の非難合戦をよそに、テヘランの通りではイラン市民が厳しい暮らしに耐えている。格闘技指導者レイラ・ザンガネ氏は「制裁があろうがなかろうが市民は『最大限の困窮』の中で暮らしている」と訴えた。建築家のダニアル・ナメイ氏も「過去も今もずっと苦しい。これ以上悪くなりようがない」と述べた。 

最終更新:9/21(月) 18:06

時事通信

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