AI=人工知能にもとづく顔認識技術で注目される「アルチェラ」

#韓国技あり企業
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2020-09-21

週間経済フォーカス

ⓒ Alchera Inc

きょうご紹介した企業は、 京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市にあるIT企業、「アルチェラ」です。「アルチェラ」は、AI=人工知能による画像認識技術を手がけています。「アルチェラ」の共同設立者キム・ジョンベ代表とファン・ヨンギュ副代表は、サムスン総合技術院で10年以上、顔認識技術を研究し、2016年に「アルチェラ」を立ち上げました。

自撮りカメラアプリ「SNOW(スノー)」が大人気ですが、ここに「アルチェラ」の技術が採用されています。「SNOW」とは、犬やうさぎの耳などの面白いエフェクト=写真加工効果をつけた自撮り写真を撮影できたり、リアルタイムに様々なメイクを楽しむことができたりする自撮りカメラアプリですが、「アルチェラ」はこのうち撮影した画像から目や鼻、口の位置をリアルタイムで捉える技術を提供しています。

ⓒ Alchera Inc

このほかにも、セキュリティや金融など様々な分野でサービスを提供しています。ことし8月からは、世宗(セジョン)市の政府庁舎に入退室管理サービスを提供しています。また、歩きながらの顔認証が可能な技術を新たに開発し、仁川国際空港の自動出入国審査システムに採用されることが決まっていて、現在、空港でテストを行っているところです。

顔認識は、多くの企業が数十年前から技術開発に取り組んでおり、様々な製品が市場で売られています。こうしたなかで競争力を確保するために重要なのは顔認識の精度です。「アルチェラ」では、膨大な学習データの確保と、優秀な人材の確保という2つの方法で、精度向上に取り組んでいます。

「アルチェラ」の技術力は、政府や関連協会からも認められています。キム・ジョンベ代表は、去年3月、科学技術情報通信部長官賞を受賞しました。また、「アルチェラ」は去年、ベンチャー企業協会から「最優秀ベンチャー企業」に選ばれたほか、アメリカ国立標準技術研究所が行った顔認証技術ベンチマークテストで、韓国1位となり、アジア市場をリードする日本や中国の有数企業より高い評価を得ました。

「アルチェラ」は、海外市場に目を向けています。去年、ベトナム・ホーチミンに法人を設立したほか、半導体・コンピュータ関連の産業が集積するシリコンバレーの中心都市、サンノゼにも事務所を開設しました。

「アルチェラ」は、オーストラリアの先住民の言葉で「夢の時代」という意味を持っています。「アルチェラ」が創っていく、楽しく、安全で、便利な夢の時代の到来を楽しみにしたいと思います。

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