「ポスト安倍時代」の日本はどこへ向かうのか

読売新聞の報道によると、日本の安倍晋三首相は8月28日午後、持病の悪化等が国政に影響を与える事態を避けるため、首相の職を辞する事を決めたと表明した。安倍首相は同日午後の記者会見で、自らの健康状況について説明し、正式に辞意を表明した。安倍首相は先般、在任期間が歴代最長となったばかりだった。日本国内の新型コロナウイルスの感染状況と経済情勢が楽観を許さない中、安倍首相の突然の辞任は日本国内と国際社会の大きな注目を呼んだ。(文:姚慧。人民日報海外版掲載)

共同通信社がこのほど発表した最新の世論調査では、安倍内閣支持率は36%と7月調査時より2.8ポイント下がり、第2次安倍内閣発足以降最低だった35.8%に近づいた。

「『アベノミクス』による構造改革の効果は長期的なものであり、すぐには現れない。また、短期的効果は政権前期にほぼ使い果たしたうえ、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、過去7年余りに得た多くの成果はほぼ相殺されてしまった」。中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は「安倍政権の前期は日本経済の拡張期と重なったため、『アベノミクス』の下で日本経済は短期的に成長した。だが近年、世界経済の後退が日本経済を抑えつけてきた。これに新型コロナという追い打ちが加わった。今年第2四半期の日本のGDPは第2次大戦以降最大の下げ幅を記録した。安倍政権も多くの景気刺激策を講じたが、いずれも期待した成果を挙げていない」と指摘する。

「安倍首相の辞任は国内政界、特に自民党内に衝撃を与えた。誰もが後継者に強く期待してもいる」。楊氏は「安倍氏に代わる次期首相は非常に厳しく執政を試される。まず、新型コロナ対策の常態化への対応という問題だ。次に、日本を長年悩ませている国内経済の苦境だ。さらに、日本政府としては外的な脅威という懸案もある」と指摘する。

楊氏はさらに「安倍政権の下で日本は外交を非常に重視し、外交の場で縦横無碍に行動することで、国際社会における空間を押し広げ、発言力を勝ち取ってきた。安倍首相の辞意表明によって短期的に日本の戦略的活発性は多少損なわれるが、民主党と自民党には外交面で暗黙の了解があり、誰が後継者になろうとも、外交・国際舞台を放棄することはない」とする。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年9月1日

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