コロナ禍の中で、ピーチが「国内新路線」開設を急ぐシンプルな理由
12/18(金) 18:40配信
ピーチは国内線の路線を相次いで開設している。2021年2月には成田を発着する国内線の路線は12路線になり、本拠地にしている関西空港から発着する国内線路線数と並ぶ
新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中でも、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが国内線の新規路線開設を加速させている。
2020年12月18日には、成田-女満別線を21年2月10日、成田-大分線を2月19日にそれぞれ開設すると発表した。2路線の開設で、成田を発着する国内線の路線は12路線になり、本拠地にしている関西空港から発着する国内線路線数と並ぶ。国際線の運航がほぼストップしていることを背景に、国際線の機材や乗員を国内線に回したり、路線の開設予定を前倒ししたりして、少しでも収益を改善させたい考えだ。
■「GoToトラベル」一時停止で「非常に大きな影響」
女満別空港は網走や知床へのアクセスに利用される空港で、流氷シーズンの観光需要を見込む。ピーチは20年8月に成田-釧路線を開設しており、女満別と合わせて北海道東部(道東)エリアの周遊観光も楽しんでもらえるようにする。大分空港は、同社が乗り入れる九州の空港としては6番目。九州観光の「入り口」のひとつとしての利用を見込む。
森健明(もり・たけあき)代表取締役CEOは、政府の観光支援事業「GoToトラベル」の一時停止で「非常に大きな影響」があるとする一方で、両路線が就航する21年2月までには「その時期には少し世の中が落ち付いて、多くのお客様にご利用いただけたら」とも話した。
大分路線は開設予定を前倒す
この2路線以外にも、同社は20年12月~21年1月にかけて、中部空港を発着する4路線(新千歳、仙台、那覇、石垣)の開設を控える。森氏は、元々同社の事業規模に占める国際線の割合は40%にのぼるとした上で、国内線路線の拡大を急ぐ理由について
「今はなかなか国際線事業を展開するには厳しい状況。そういった国際線に使用する機材や乗員を積極的に国内線にシフトして、少しでも収益を改善させようというのが、我々の大きな使命」
などと話した。今回の大分線も、今後数年にわたって開設を計画していた路線のひとつで、前倒した結果として21年2月の就航になったという。
ピーチでは3月から運休が続いていた国際線の運航を10月に運航を再開したが、需要回復が見通せないことから11月になって大幅に減便。20年12月25日から21年3月27日にかけて運航されるピーチの国際線は、関西-台北(桃園)が月に2~3往復、成田-台北(桃園)が月に1~2往復するのみで、運航停止状態に近い。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
最終更新:12/18(金) 18:46