「民主大国」世界に醜態 退任前のトランプ氏に罷免要求 米
1/7(木) 20:36配信
トランプ米大統領=2020年12月、ワシントン(AFP時事)
【ニューヨーク時事】トランプ米大統領の支持者が6日、大統領選の結果確定に向けた上下両院合同会議が開かれていた連邦議会に乱入し、議事を妨害した前代未聞の事件は、「民主主義大国」の看板を失墜させ、世界に醜態をさらす結果となった。
米主要メディアは、騒動を扇動し民主主義の根幹を揺るがしたとして、退任間近のトランプ大統領の即時罷免を求める論調を掲げている。
乱入したトランプ支持者は、議事を妨害しただけでなく、一部が暴徒化し、4人が死亡する大惨事となった。一連の騒動は、テレビで放映されただけでなく、支持者らが撮影動画をインターネット交流サイト(SNS)で拡散、世界に衝撃が走った。
米国の同盟国を含む各国首脳は、議会乱入を厳しく批判する声明を相次いで発表した。トランプ大統領と緊密な関係を維持してきたジョンソン英首相は「米議会の恥ずべき光景」と非難。フランスのルドリアン外相は「民主主義への重大な攻撃。米国民の意思、票は尊重されなければならない」と訴え、選挙結果の受け入れを拒否するトランプ氏を暗に批判した。
騒動の発端は、トランプ氏が、この日の抗議集会で支持者に議会に行くよう呼び掛けたことだ。事件後も、バイデン次期大統領が演説で事態の沈静化を求めたのに対し、トランプ氏はツイッターに投稿した動画で、乱入者たちを擁護し帰宅を促すにとどまった。
NBCやCNNなど主要テレビは、トランプ支持者の議会乱入を「テロ」と糾弾し、大統領の即時罷免を要求。ワシントン・ポスト紙も社説で「トランプ大統領は社会秩序、国家安全保障の脅威」であり、20日の退任日を待たず、ペンス副大統領が憲法修正25条に基づいて、大統領による職務遂行は不可能と宣言すべきだと主張した。ニューヨーク・タイムズ紙の社説は「弾劾あるいは刑事訴追により、大統領の責任を追及する必要がある」と強調した。
最終更新:1/7(木) 20:47