世界の6G研究開発競争が開始、まだ模索段階
科学技術部(省)から伝えられたニュースが注目を集めている。科学技術部はこのほど国家発展改革委員会、教育部(省)、工業・情報化部(省)、中国科学院、自然科学基金委員会とともに6G技術研究開発活動始動式を開いた。また国家6G技術研究開発推進作業チーム及び全体専門家チームの発足を宣言した。科技日報が伝えた。
ただ、科学技術部の王曦副部長は「世界の6G技術研究は模索段階にあり、技術路線が不明確で、カギとなる指標や応用シーンに統一的な定義が存在しない」と述べた。
5Gはすでに世界で商用化が始まっている。業界が認める移動通信技術の10年ごとに世代交代になるという法則に従うと、6Gは2030年頃に登場することになる。
中国移動研究院の易芝玲首席科学者は「移動通信技術の世代交代は単純に技術によって決まるわけではない。現段階ではいつ6Gが展開されるのか不明だが、交代の期間がより短くなるのは間違いない」と述べた。
天津大学コンピュータ科学・技術学院の王暁飛教授は、「6Gはテラヘルツ、宇宙・上空・地上、水中、物理層、基礎材料などの特にコアとなる分野で積極的な役割を果たす。単なる速度の向上には意義がない」と述べた。
フィンランドのオウル大学が発表した世界初の6G白書(「KEY DRIVERS AND RESEARCH CHALLENGES FOR 6G UBIQUITOUS WIRELESS INTELLIGENCE」)によると、伝送能力の飛躍的な向上のほか、6Gワイヤレスネットワークは地上・衛星・機内ネットワークなどの隙間なき連結を実現し、地上のみに制限されない。
通信業界の「事前に次世代を研究し、新世代を開発し、現世代を使用する」の重要な意義はまさにここにある。6Gに関する多くの考えはまだ憶測の範囲を出ないが、未来の競争力を樹立するため事前に着手しなければならない。
6Gがデジタル世界及び物理的世界と深く融合することで、現在幻想にすぎない多くのシーンが現実的になる。
6Gの大多数の性能は5Gの10-100倍に向上する。最高伝送速度は1Tbps。これは映画を1秒でダウンロードできることを意味する。一方で、0.1msというネットの遅延は、人類にほぼ感知されない。
業界内の研究によって、6Gの多くの潜在的な応用シーンが浮かび上がっている。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)を一つにしたクロスリアリティー(XR)の応用が最も注目されている。
易氏は「5Gは社会を変え、6Gは物理的世界とバーチャル世界の結合をもたらす。この流れは人々から期待され、起こりうると予想されている。しかし今後5-10年でどの規模まで発展するか、どの程度まで発展するか、誰もがクラウド上でデジタルの双子を持つようになるのかは、現時点では判断が難しい。これは技術だけでなく、道徳や倫理観に関わる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年11月11日