日本の専門家が見る両会:中国の革新の成果に注目、今後の発展を注視
今年の中国の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)では、政府活動報告の内容に国内外の各者が注目した。これについて人民網は日本の著名な政治経済学者で元参議院議員の浜田和幸氏を取材した。浜田氏は「中国は新型コロナ対策、科学技術革新、環境保護、社会ガバナンス等の面でいずれも賞賛すべき成果を挙げた」と指摘した。
日本の著名な政治経済学者、元参議院議員の浜田和幸氏
科学技術革新が中国の新興産業の発展を確保
政府活動報告は「昨年は科学技術イノベーションを大いに促進して、産業の業態転換・高度化が加速した」と指摘した。これについて浜田氏は「近年、中国は科学技術革新の促進に力を入れると同時に、産業のモデル転換と高度化においても著しい成果を収めている。中国はマンパワー、資金、政策など各方面に同時に力を入れ、国際的な科学技術革新センターと総合的な国立科学センターを建設するとともに、第1陣となる国立研究所を新設した」と感慨深げに指摘。「科学研究のレベルだけでなく、中国は科学技術の成果の実用化・応用においても目覚ましいものがある。科学研究及び科学技術の成果の実用化・応用のシームレスなつながりがあって初めて、新興産業の発展を促進し続けることができるからだ」と述べた。
また浜田氏は、「現在、中国は新技術によって飛躍的発展を実現している。また、中国の科学技術革新は中国の質の高い発展の実現に新たな原動力を与えてもいる」と指摘した。
コロナ下での貧困脱却達成は称賛に値する
中国の貧困脱却の難関攻略の成果は世界が注目している。政府活動報告は「貧困脱却堅塁攻略が目を見張る成果を収め、5575 万人の農村貧困層が貧困から脱却し、960 万人余りの登録貧困者が 移住・転居による貧困救済を通して『生活条件が务悪で困窮した状況』から抜け出し、地域的な貧困集中問題が解決し、絶対的貧困の撲滅という非常に困難な任務が完遂した」と指摘した。貧困脱却における中国の成果を浜田氏は称賛し、「現在、新型コロナ感染症のパンデミックの影響で、世界の多くの国々が経済面で依然として非常に厳しい状況に直面している中、中国はこの非常時の様々な困難を克服し、貧困脱却の難関攻略を順調に推し進めただけでなく、自国経済のプラス成長、科学技術革新、新型コロナ対策など多くの面で際立った成果を挙げた。これは世界を驚嘆させた」と指摘。
さらに、「中国はパンデミックの発生後、主要エコノミーとして最初に成長を回復した。強大な修復力と盛んな生命力・活力から、十分な潜在力、強い強靭性、大きな融通の余地という中国経済の特徴が見て取れる。今回の政府活動報告で、第14次五カ年計画期間(2021−25年)の主要目標・課題をめぐり打ち出された『経済の地域的配置を改善し、地域間の調和発展を促進する』は、次の5年間において注目し続けるべきだ」とした。
日本の政財界は中国の今後の発展を一層注視
浜田氏は、政府活動報告が2021年の経済成長率目標を6%以上としたことに注目した。これについて浜田氏は、「中国は従来の経済発展のスピード重視路線から、国民生活の質的向上を図りながら国内経済の底固めに力点を置くものと思われる。今後は内需拡大、サプライチェーンの強化、都市部と農村の経済格差の縮小などが期待される」と指摘。さらに、「中国国内市場の今後のさらなる発展計画及び『一帯一路』(the Belt and Road)、貿易通商体制構築の面における中国の推進措置に日本は非常に注目している」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年3月11日