インド太平洋地域で軍事的存在感を強化、軍事的猛進を続ける日本
2022年早々、日本は頻繁に軍事的な動きを取り、これまでの猛進の勢いを続けている。岸田文雄首相は17日の衆院本会議で就任後初の施政方針演説を行い、いわゆる「敵基地攻撃能力」を含む「現実的防衛力」の強化を検討すると明言した。(文:孫紹紅、劉雅楠<国防大学連合作戦学院>。解放軍報掲載)
■防衛力の向上を図る
「敵基地攻撃能力」は防衛分野における日本の重要目標であり、実質的には、他国からミサイル攻撃などを受ける前に、その国の領土内にあるミサイル発射基地そのものを攻撃する能力のことだ。このため、すでに日本は中長距離攻撃能力の開発を自衛隊の能力整備の重点の1つとすることを明確にしている。
これは自衛隊の作戦能力向上の1つの縮図だ。日本は近年、いわゆる「周辺国の脅威」への対処、「新興領域」で後れを取らないこと、国際安全保障協力の強化を口実に、防衛予算を年々増やし、防衛政策の調整を進め続けており、「軍事的正常化」の推進という野望は誰の目にも明らかだ。
日本は「インド太平洋戦略」の推進で助力を必要とする米国の心理を利用して、米日軍事同盟の深化を理由に「自主的安全保障能力」を高め続けている。日本は 2018年12月に発表した新版の「防衛計画の大綱」で「領域横断作戦」能力の強化を打ち出した。その後、自衛隊は「新興領域」で後れを取らないことを名目に、宇宙作戦隊とサイバー防衛隊を相次いで設置し、2つの電子戦中隊を新設した他、第3の電子戦中隊と電子戦司令部の設置を計画し、「防衛」から「攻撃」への転換を一歩一歩実現しており、国際社会は強く警戒すべきだ。
■政治・軍事大国化を追求
日本の真の目的は、政治・軍事レベルでいわゆる「普通の国化」を実現し、平和憲法による軍事力に対する制約を解除し、政治・軍事大国の地位を獲得することだ。自民党は立党宣言及び綱領の策定や改定時に、いずれも基本方針として「憲法改正」あるいは「新憲法制定」を明記してきた。特に2012年以降、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄の各内閣は「新憲法制定」の推進を加速し、法制及び世論面の準備を継続的に進めてきた。日本は軍事的猛進によって平和憲法の規制を実質的に骨抜きにし、日本の「軍事力強化」、「攻勢的軍事力強化」、「対外的軍事力運用」に対する国内外の世論の支持や容認を徐々に高め、「新憲法制定」を日本の有権者に受け入れさせ、さらには支持させることを企てているのだ。
この観点からすれば、2022年早々の日豪「円滑化協定」や日米「2プラス2」共同声明は、日本が「米国支援、中国抑止」の名の下に政治・軍事大国になろうとする新たな試みの序幕に過ぎない。日本は軍事的猛進の道を突き進んでおり、国際社会は強く警戒しなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年2月15日