中国、輸出が3カ月連続増 8月、マスクなどコロナ関連が引き続き好調
【北京=三塚聖平】中国税関総署が7日発表した8月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比9・5%増の2352億ドル(約25兆円)だった。3カ月連続のプラスで、増加幅も7月(7・2%)から拡大した。海外でも経済再開の動きが出ているほか、マスクを含む織物の輸出が約47%伸びるなど新型コロナウイルスの影響で需要が伸びている製品の輸出拡大が牽引(けんいん)した。ただ、1~8月の累計では輸出、輸入ともに前年同期の実績を下回る状況が続いている。
税関総署の李(り)魁文(かいぶん)報道官は「内需が回復の勢いを保つとともに、外需もある程度改善している」と国営中央テレビ(電子版)の取材に答えた。
ただ、8月の輸入は2・1%減の1763億ドルと2カ月連続のマイナス。国・地域別でみると、貿易摩擦がくすぶってきた米国向けで、輸出が前年同月比で約20%増と大幅に伸びたものの、輸入は約2%増と小幅な伸びにとどまっている。
また、1~8月の累計では輸出が前年同期比2・3%減、輸入が5・2%減だった。米国向けの輸出が3・6%減、輸入が2・9%減だったことなどが響いた。これに対して東南アジア諸国連合(ASEAN)向けでは輸出が3・7%増、欧州連合(EU)向けでも輸出が2・1%増と伸びており、対米の輸出入の不振が目立つ。
2月に発効した米中の「第1段階」貿易協定は、中国が米国産農産物などの輸入を2年で2千億ドル(約21兆円)増やすことが柱だ。中国農業農村省の幹部は8月下旬に、合意に基づいて米国産大豆の輸入量が今後増加し続けるとの見通しを示している。
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