米同時多発テロ19年 世界貿易センタービル跡地で犠牲者追悼
2020年9月12日 1時26分
アメリカを襲った同時多発テロ事件から、11日で19年となりました。ニューヨークの世界貿易センタービルの跡地では、日本時間の11日午後9時半すぎから犠牲者を追悼する式典が開かれています。
2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件では、ハイジャックされた4機の旅客機が、ニューヨークの世界貿易センタービルや首都ワシントン郊外の国防総省などに激突し、日本人24人を含む3000人近くが犠牲となりました。世界貿易センタービルの跡地で始まった式典には、ペンス副大統領や民主党の大統領候補、バイデン前副大統領も参列し、最初の旅客機がビルに激突した時間に合わせて黙とうをささげたあと、遺族の代表が犠牲者の名前を読み上げた音声が流されています。アメリカでは、事件のあと、偏見からイスラム教徒への憎悪犯罪=ヘイトクライムが相次ぎました。ことしは、新型コロナウイルスの感染拡大でアジア系の人たちに対するヘイトクライムが増加しているほか、人種差別の問題でも、対立が激しくなっています。こうした状況に、同時多発テロ事件の遺族からは、「憎しみからは憎しみしか生まれない」と、寛容な社会の実現を訴える声も上がっています。トランプ政権は、事件をきっかけに始まった、「アメリカ史上、最も長い戦争」とも言われるアフガニスタンでの軍事作戦をめぐって反政府武装勢力、タリバンとことし、和平合意し、駐留アメリカ軍を4000人以上削減しました。しかし、現地では今もたびたび戦闘やテロが起きているほか、事件から19年たっても、世界各地で市民がテロへの不安をぬぐえずにいます。
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