世界最大の自由貿易圏誕生が日本にとって意味するものとは?
人民網日本語版 2020年11月17日15:01
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が正式に締結され、世界最大の自由貿易圏が誕生しただけでなく、RCEPを通じて中日の自由貿易関係も構築されることとなった。中国が世界トップ10のエコノミーと自由貿易協定を調印するのはこれが初めてであり、これによって中国は自由貿易パートナーとの貿易が占める割合が現在の28%から35%に上がる。では、RCEP協定締結は日本にとって何を意味するのか?そして同時に、東アジア地域全体の経済成長促進にとってどんな影響があるのだろうか?中央テレビ網が伝えた。
日本メディアはおしなべて、参加国のGDP総量が世界のおよそ3分の1を占めるRCEP協定は、世界屈指の地域貿易圏になると見ている。新型コロナウイルス感染症が世界経済の信頼感に打撃を与えている中で、RCEP協定は日本など参加国だけでなく、世界経済にも原動力を注ぎ込み、自由貿易のさらなる発展も促進するだろう。
日本経済に新たな成長ポイント 消費者により多くの実益
現在、日本はすでにASEAN加盟10ヶ国と他の自由貿易協定に調印しており、オーストラリア、ニュージーランドとも環太平洋経済連携協定(TPP)の枠組み下で合意に達している。一方、今回の「RCEP協定」は、日本が主要貿易パートナーである中国・韓国と締結した初の自由貿易協定となる。
日本の経済界は、関税減免が具体的な産業にどのような影響を及ぼすかに注目している。日本放送協会(NHK)によると、中韓両国はいずれも協定の枠組みの下で、日本の工業製品に対して設定されている関税の約90%を段階的に撤廃するという。現在、日本の工業製品に対する中国の関税撤廃比率は約8%、韓国は約19%で、RCEP協定は日本の工業製品の中国や韓国などへの輸出を大幅に促すと言えるだろう。これは日本にとって新たな経済成長ポイントになることを意味する。特に、自動車部品など日本の優位性が比較的大きい業界は、中国に輸出する一部の製品について、協定発効時に直接関税がゼロになる。
また、農産品や食品などの業界では、日本の国内市場は近年飽和しつつある。日本が輸出する海鮮や牛肉、日本酒などの農副食品も徐々に関税がゼロまで引き下げられることになり、日本の関連産業にとっては間違いなく朗報だ。
その一方で、日本は輸入の面で、米や牛肉、豚肉、乳製品など5品目の重要農産品のほかに、中国や韓国からの農産品約5割に対し徐々に関税を撤廃することになり、それによって日本の消費者はより多くの実益を得られるようになる。
中日韓各分野の協力強化へ 産業発展を促進
日本・財務省の2019年の統計によると、日本の貿易額のうち中国は21%、韓国は5%を占めている。日本にとって、中国と韓国はいずれも重要な貿易パートナーであり、なかでも中国は現在日本にとって最大の貿易パートナーだ。RCEP協定は中日韓3ヶ国間貿易・投資の促進にとって重要な役割を発揮し、東アジア地域の科学技術、フィンテック、医療、環境保護、観光など各方面での協力展開を推進し、効果的なサプライチェーンを構築し、産業配置戦略を形成するに違いない。日本の学者は、「日本政府は現在デジタル化改革を積極的に推進しているが、デジタル経済分野では中国がリードし、また韓国も非常に積極的に取り組んでおり、今回の協定締結が地域のデジタル経済産業発展の促進に役立つ。この点は注目に値する」としている。
RCEP協定のほか、中日韓3ヶ国間では自由貿易交渉も進められている。東アジア地域の3つの主要エコノミーとして、中日韓自由貿易協定の基準はさらに高くなるだろう。日本の経済界も、2002年に始まった中日韓自由貿易協定交渉がさらに加速されることを期待している。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年11月17日
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